武満徹没後20年企画
赤木恵子「武満徹うた曲集」リサイタル

うた:
赤木恵子 

ピアノ:
鍋谷尚美(郡山女子大学短期大学部音楽科卒業)
今井真希(郡山女子大学短期大学部音楽科卒業)

場所:
二本松市コンサートホール(二本松市亀谷1−5−1)
JR二本松駅から徒歩約10分
東北自動車道・二本松ICから車で約7分

日時:
2016年10月23日(日)13時30分開演(13時開場)

主催(問合先):
島燈社(http://www.a-totosha.com/)
tel-fax0287-65-3780 eメールa.totosha@nifty.com

後援:
郡山女子大学、二本松市教育委員会、福島民報社、福島民友新聞社

入場料:
一般2000円、学生1000円(中学生以下無料)、全席自由

チケット取り扱い:
島燈社(tel-fax0287-65-3780 eメールa.totosha@nifty.com)詳細はこちらLinkIcon
本田書店(二本松市本町☎0243-23-0158)
(株)ヤマハミュージックリテイリング郡山店(☎024-924-1192)
(株)河合楽器製作所郡山店(☎024-932-4941)・福島店(☎024-521-0937)

当コンサートの売上金の一部を『東日本大震災ふくしまこども寄附金』に提供いたします。

コンサート開催の趣旨

武満徹は最期まで「希望」を失わなかった作曲家
売上金の一部を『東日本大震災ふくしまこども寄附金』に提供

 日本が世界に誇る作曲家・武満徹(1930~1996)。その生涯で紡いだ曲は、交響曲、ピアノ曲、吹奏楽曲、室内楽曲、うた曲、合唱曲、映画音楽、テレビ・ラジオの伴奏音楽など、多岐にわたっています。「ノヴェンバー・ステップス」「弦楽のためのレクイエム」「アステリズム」「ア・ウェイ・ア・ローン」等の現代音楽の作曲者として知られる武満ですが、作品の詳細を俯瞰すると、それ以外のジャンルでも多くの曲を手がけており、「小さな空」や「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」のように、誰でも口ずさめて親しみのもてる曲をつくっていたこともわかります。つまり、武満は小さな枠にとらわれずジャンルを超えて独自の「音づくり」を追究した作曲家だったのです。その作曲手法を独学で確立したこの努力の人は、死の直前まであらゆることに「希望」を失わなかった人物でもあります。この作曲家を知ることは、未来への希望を失わないことにつながります。
 今年2016年は、武満徹没後20年に当たります。これを機会に、もう一度この作曲家の存在を多くの人に知ってもらう意味で企画されたコンサートが『赤木恵子「武満徹うた曲集」リサイタル』です。72歳にして現役の歌い手である赤木恵子が、楽譜として残っている武満徹作曲の「うた曲」全21曲を、自身の人生への思いを重ね合わせ、歌い上げます。
 なお、このコンサートの売上金の一部を「東日本大震災ふくしまこども寄付金」に提供いたします。また、仮設住宅住まいの避難者の方々50名様をコンサートにご招待いたします。

武満徹作曲の「うた曲」21曲をすべて披露します

 ① うたうだけ(詞:谷川俊太郎)
 ② 恋のかくれんぼ(詞:谷川俊太郎)
 ③ 小さな部屋で(詞:川路明)
 ④ 雲に向かって起つ(詞:谷川俊太郎)
 ⑤ 見えないこども(詞:谷川俊太郎)
 ⑥ さようなら(詞:秋山邦晴)
 ⑦ めぐり逢い(詞:荒木一郎)
 ⑧ 小さな空(詞:武満徹)
 ⑨ 翼(詞:武満徹)
 ⑩ 明日ハ晴レカナ、曇リカナ (詞:武満徹)
 ⑪ ○と△の歌(詞:武満徹)
 ⑫ 島へ(詞:井沢満)
 ⑬ 昨日のしみ(詞:谷川俊太郎)
 ⑭ ぽつねん(詞:谷川俊太郎)
 ⑮ 素晴らしい悪女(詞:永田文夫)
 ⑯ ワルツ(詞:岩淵達治)
 ⑰ 雪(詞:瀬木慎一)
 ⑱ 燃える秋(詞:五木寛之)
 ⑲ MI・YO・TA(詞:谷川俊太郎)
 ⑳ 三月のうた(詞:谷川俊太郎)
 ㉑ 死んだ男の残したものは(詞:谷川俊太郎) 

お礼とご報告 

<武満徹没後20年企画  赤木恵子「武満徹うた曲集」リサイタル>は、盛況のうちに終えることができました。
 当リサイタルの売上金の一部および協賛金を加えて「東日本大震災ふくしまこども寄附金」に寄付させていただきました。振込は、10月25日(火)午前に実行致しました。
 ご来場いただきました方々、協賛金のかたちで現金を送ってくださった方々、また開催に当たって「後援」をいただきました各団体様、そして出演者、関係者・スタッフの方々……このリサイタルに有形無形でかかわってくださったすべての方々のご理解とご協力に深く感謝致します。
 皆さま、本当にありがとうございました。

2016年10月吉日
島燈社

リサイタル前半。ピアノ伴奏は今井真希

リサイタル後半。ピアノ伴奏は鍋谷尚美

曲と詞について

① うたうだけ(詞:谷川俊太郎)
 1958年、鎌倉でつくられたとされている。詞は谷川俊太郎がつくっているが、同氏とのコンビによる作品は数多い。谷川は武満の生涯を通じての友人だった。

② 恋のかくれんぼ(詞:谷川俊太郎)
 小説「男装の麗人」の作者として知られる村松梢風の3つの短編をもとにつくられた映画「斑女」(中村登監督/松竹/1961年)の主題歌。ペギー葉山によって歌われた。直木賞作家・村松友視は梢風の孫にあたる。

③ 小さな部屋で(詞:川路明)
 ラジオ番組「私の歌」(新日本放送/現・毎日放送)のために作曲され、1955年8月の歌として放送された。当時の日本は、経済成長期に入る前。詞の内容には、その頃の一般市民の生活状況が反映されていると思われる。作詞は、バレエ・ダンサーの川路明。川路は、バレエ「失楽園」(1950年)の作・演出者として知られていた。


④ 雲に向かって起つ(詞:谷川俊太郎)
 1963年5月から30回にわたってNET(現・テレビ朝日)で放送された同名テレビドラマの主題歌。ドラマの原作は石原慎太郎の同名小説。正義感の強い新聞記者の主人公を北大路欣也が演じ、当時の若者の理想像が描かれた。藤木孝が歌っている。

⑤ 見えないこども(詞:谷川俊太郎)
 羽仁進監督の映画「彼女と彼」(岩波映画/1963年)の主題歌。映画公開時のタイトルは「まだ生まれない子ども」で、岸洋子が歌った。映画の脚本は、羽仁と清水邦夫との共作。

⑥ さようなら(詞:秋山邦晴)
「小さな部屋で」と同じく新日本放送のラジオ番組「私の歌」の1954年3月の歌として放送された。作詞は、詩人で音楽評論家の秋山邦晴が担当した。作曲家の武満、ピアニストの園田高弘、美術作家の北代省三らと、51年に、のちに詩人の瀧口修造から「実験工房」と名付けられる横断的芸術家グループを結成していた秋山はフランスの作曲家エリック・サティの研究者としても知られる。

⑦ めぐり逢い(詞:荒木一郎)
 映画「めぐり逢い」(東宝/恩地日出夫監督/1968年)の主題歌。荒木一郎が詞を担当し荒木自身が歌うという条件を武満が希望してできた曲だといわれている。

⑧ 小さな空(詞:武満徹)
 1962年に放送された連続ラジオ・ドラマ「ガン・キング」(TBSラジオ)の主題歌としてつくられた。ドラマは漫画が原作の西部劇だった。

⑨ 翼(詞:武満徹)
 西武劇場(東京・渋谷)で公演された演劇「ウイングス」(アーサー・コピット/恩地日出夫演出/1982年2月)のために作曲された。西武劇場は、1985年にPARCO劇場に改称されている。

⑩ 明日ハ晴レカナ、曇リカナ (詞:武満徹)
 映画「乱」(黒澤明監督/日本ヘラルド映画/1985年)の音楽を担当していた武満がロケ現場を訪れて、即興的につくった曲。天候によって監督の言動が大きく変わるので、明日の撮影のための天気がどうしても気になってしまうスタッフの気持ちを表したものといわれている。

⑪ ○と△の歌(詞:武満徹)
 ドキュメンタリー・タッチの映画「不良少年」(羽仁進監督/岩波映画/新東宝/1961年)の主題歌。主人公少年(山田孝男)が歌った。当初、武満がつくった曲を羽仁が気に入らず何度も書き直したというエピソードが残っているが、後年、武満は当時の羽仁の意見が正しかったことを率直に語っている。

⑫ 島へ(詞:井沢満)
 NHK大阪のテレビドラマ「話すことはない」(1983年11月5日放送)の挿入歌としてつくられたが、ドラマでは使用されなかった。詞は、同ドラマの脚本を担当した井沢満がつくった。

⑬ 昨日のしみ(詞:谷川俊太郎)
⑭ ぽつねん(詞:谷川俊太郎)
 この2曲は、月刊誌「ザ・ゴールド」(JCB発行)の企画〈谷川俊太郎・旅の手帖〉のなかの一環としてつくられた。企画は1995年1月号から96年3月号まで。谷川の詩に武満徹、三善晃、谷川賢作、小室等、矢野顕子、林光の6人の作曲家が曲をつけるというもので、武満が担当したのは、95年4月号掲載の「ぽつねん」と10月号掲載の「昨日のしみ」。初演は翌96年6月6日だったが、残念ながら武満はその年の2月にこの世を去っていた。

⑮ 素晴らしい悪女 A Marvelous Kid(詞:永田文夫)
 石原慎太郎の短編小説「明日は船出を」が原作になっている映画「素晴らしい悪女」(恩地日出夫監督/東宝/1963年)の主題歌。主役のプエルトルコ人を演じた鹿内タカシが劇中で歌った。スペイン語の歌詞は、ラテン音楽評論家の永田文夫が書いている。

⑯ ワルツ(詞:岩淵達治)
 映画「他人の顔」(勅使河原宏監督/勅使河原プロ/1966年)の主題歌。ドイツ文学者の岩淵達治によってドイツ語歌詞がつくられたが、2000年にその詞をもとに岩淵自身が日本語詞を新たにつくった。「他人の顔」は安部公房の同名小説の映画化作品。

⑰ 雪 La Neige(詞:瀬木慎一)
「雲に向かって起つ」「素晴らしい悪女」と同年の1963年につくられている。橋本忍のオリジナル脚本によるミステリー・サスペンス映画「白と黒」(堀川弘通監督/東京映画)の挿入歌。フランス語の歌詞をつくった瀬木慎一は美術評論家。初演者は岸洋子。映画では、恩師の年若い妻を殺した弁護士役を仲代達矢、東京地検の検事役を小林桂樹が演じている。

⑱ 燃える秋(詞:五木寛之)
 五木寛之の同名小説を映画化した作品(小林正樹監督/三越/東宝/1978年)の主題歌。五木が曲に歌詞をつけ、武満自身がピアノ伴奏譜を書いた。

⑲ MI・YO・TA(詞:谷川俊太郎)
 タイトルは長野県の地名「御代田」からとられている。武満徹の山荘があった場所。曲は、映画音楽用に作られていたが使われなかった。そのメロディを黛敏郎が、武満の告別式でくちずさんだことが知られている。

⑳ 三月のうた(詞:谷川俊太郎)
 東京映画制作の映画「最後の審判」(堀川弘通監督/1965年)の主題歌としてつくられ、後藤芳子によって歌われた。東京映画はその後、1983年に東京映画新社と改組し、2004年に東宝に吸収合併されて消滅している。

㉑ 死んだ男の残したものは(詞:谷川俊太郎)
 1965年4月、東京で開かれた「べトナムの平和を願う市民の集会」のために作曲され、友竹正則によって歌われた。この年の2月に米軍が北爆を開始し、ベトナム戦争が激化、泥沼化に向かう。米軍は1973年にべトナムから撤退するが有益なものは何も残さなかった。

コンサート情報

■第9回 横手語りのまつり
 第2部にゲスト出演
■横手ふれあいセンター「かまくら館」ホール(秋田県横手市)
■2017年9月17日(日)
13時開演

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■武満徹没後20年企画 
赤木恵子「武満徹うた曲集」リサイタル
■二本松市コンサートホール
■2016年10月23日(日)
13時30分開演

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■赤木恵子チャリティーうたコンサート
■二本松市コンサートホール
■2013年5月19日(日)
14時開演
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■赤木恵子「うたの会」
■やなか音楽ホール(東京・谷中)
■2012年10月27日(土)
14時開演
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■赤木恵子メゾソプラノ・リサイタル
■音楽の友ホール(東京・神楽坂)
■2010年5月15日(土)
14時開演
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CDの購入方法

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CD発売情報

赤木恵子「武満徹うた曲集」②ぽつねん〜さようなら
CDアルバム/TTSCA 6003
2000円+税
2014年12月11日発売

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赤木恵子「武満徹うた曲集」
CDアルバム/TTSCA 6002
2000円(税込)
2012年9月20日発売
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赤木恵子うた集〜童謡・唱歌・歌曲・歌謡曲・民謡〜
CDアルバム/TTS60- 01
3000円(税込)
2009年7月発売
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死んだ男の残したものは/三月のうた
CDシングル/TTS60- 11
1200円(税込)
2010年4月発売
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